【日本人8割が知らない】オリーブオイルができるまで

オリーブ 畑

「サラダ油」や「ゴマ油」など、日常にはたくさんの油があります。その中で、オリーブオイルだけは「果実」から搾油される唯一のアブラです。

オリーブオイルができるまでのストーリーを知ることで、オリーブオイルの奥深さや繊細さを感じることができます。ぜひ一度

オリーブオイルが出来るまで

オリーブオイルは「果実」から搾油されるオイルのため、別の呼ばれ方で「オリーブ100%のジュース」と言われることもあります。

そのため、「種子」から搾油するその他オイルとは、オイルができるまでの過程が特殊です。

オリーブオイルができるまでの流れは、以下のようになります!

オリーブオイルができるまで
  • 採取 |オリーブ果実を、手や木の棒で収穫
  • 選別・洗浄|葉や枝を取り除き、水で洗浄
  • 粗砕・撹拌|機械などでオリーブをペースト状に潰し、撹拌
  • 搾る |さまざまな手法で、果汁からオイルを抽出
  • 品質検査 |化学検査やソムリエのテイスティングを実施
  • ろ過・充填|不純物をろ過し、ビン等にオイルを充填

オリーブの採取

オリーブ 採取

オリーブの採取時期は北半球だと10月〜1月、南半球だと4月〜6月が適時になります。

オリーブの果実の採取方法は大きくわけて3つあります。

  • 手摘み
  • 棒で叩く
  • 機械

最もオリーブの実に優しく、品質を損なわない方法が手摘みです。しかし、人の手で収穫する方法は効率が悪く人件費がかかるため、大型の農園などでは機械で採取するのが主流となっています。ただし、機械採取は、機械で木を揺らすため木への負担が大きく以後の果実量へ影響します。

高品質なエキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの品質で風味を左右するため手摘みによって採取されることが多いです。

選別・洗浄

オリーブ 洗浄

オリーブを潰すまえにオリーブの実の汚れを洗浄し、葉っぱ、枝を取り出す作業を行います。

この工程は、機械で行われることが多いです。

粗砕・撹拌

オリーブ プレス

オリーブ果実は採取したときから酸化が進みます。そのためエキストラバージンオリーブオイルを製造するためには、なるべく早くオイルを抽出する必要があります。良いオリーブオイルを作るためには時間との戦いが必要です。

ここで、オリーブ果実を粗砕する作業は伝統的な手法と近代的な手法の2種類あります。

伝統的な手法として、石臼で粗砕する方法はオリーブの実を空気にさらした状態で粗砕・撹拌がされます。一方で、近代的に機械で粗砕する場合は、外気を遮断した機械の中で温度設定をした上で撹拌します。

オリーブオイルの品質において「空気」「温度」は重要なポイントになるため、高品質なエキストラバージンオリーブオイルを製造する際には機械を活用します。

搾油

オリーブオイル

オリーブからオイル成分を抽出するための方法は、原始的な方法から最新機器を活用した方法まで大きく3つに分類することができます。

  • 遠心分離製法
  • 圧搾製法
  • パーコレーション製法

ここからは、それぞれの製法における特徴みていきます。同じ品種、同じ時期に採取したオリーブ果実であっても製造方法によって特徴があるため、オリーブオイルの仕上がりに影響を与えます。

遠心分離法

  • 品質:★★☆
  • 時間:中時間
  • 費用:中

現代の搾油方法として最も普及している製法です。

ペースト状にしたオリーブを、遠心分離にかけて比重の異なる「オイル」「水」「カス」を分離する方法です。外気に触れにくく、衛生的かつ効率的な手法です。

圧搾製法

  • 品質:★☆☆
  • 時間:短時間
  • 費用:中

伝統的な圧搾法で、オリーブ本来の味わいを楽しむことができる製法。

名前の通り、ペースト状にしたオリーブを圧搾機で搾る方法です。同じ圧搾製法であっても、地域や作り手によって方法が多少異なるため生産者の個性が出やすいのも魅力の一つです。

ただ、外気に触れた状態での圧搾はオリーブオイルの酸化をすすめてしまうため、現代の多くの工場では採用されていない搾油方法である。なお小さい農園などでは、この手法にこだわり個性あるオリーブオイルを作る生産者もいます。

パーコレーション製法

  • 品質:★★★
  • 時間:長時間
  • 費用:高

最新の搾油方法です。

パーコレーションマシーンという電極を利用しオイルを分離するマシンを使用し、オイルだけを取り出す方法です。

無理な圧力をかけない分、えぐみが少なく品質のよいオイルが採れます。しかし大量には採れないので効率が悪い搾油法で、比較的高級なオリーブオイルの製造を行う際に使われます。

品質検査

オリーブオイル審査

オリーブオイルが、エキストラバージンオリーブオイルとの称号をえるための最終関門がここ。

エキストラバージンオリーブオイルの品質検査基準は厳しく、その検査は2つあります。

  • テイスティング検査
  • 化学成分検査

テイスティング検査とは、ソムリエによって「香り」「味」「口当たり」などオリーブオイルの品質を判断します。

一方で、化学成分検査で酸度を測り、オリーブオイルの酸化度合いを可視化しています。ちなみにエキストラバージンオリーブオイルは酸度0.8%以下である必要があります。

2種類の検査によって、高品質なオリーブオイルが決定されます。

ろ過・充填

オリーブオイル ボトル

オリーブオイルがあなたの手元に届くまでにも、オリーブオイルは酸化が進みます。

オリーブオイルをろ過し不純物を取り除くことで不純物から始まる酸化を防ぎつつ、オリーブオイルの風味をクリアにすることができます。

またオリーブオイルは光によっても品質が劣化してしまうので、遮光ビンに充填することが望ましいです。さらにタンク内やビン内に窒素を一緒にいれることで、酸化を防ぐことができます。

ノンフィルターってなに?

「ノンフィルター」オリーブオイルと、と商品名および商品説明で見たことある方もいるかと思います。

「ノンフィルター」とは、オイルの中の浮遊物を取り除くためのろ過をしていないものを指します。ノンフィルターのオリーブオイルの特徴は、オリーブ本来の風味を楽しむことができます。

ところが、オイルの中の浮遊物は酸化しやすいため、オイル自体も酸化しやすくなってしまいます。そのためろ過することによって、酸化しやすい浮遊物を取り除き、より保存性を高めることができます。

・フィルター :18〜24ヶ月
・ノンフィルター:12ヶ月

まとめ

オリーブオイルは果実からオイルを抽出するためオイルの製造方法や品質管理が難しいですが、そのため、美味しいオリーブオイルに出会うと生産者の真摯な努力を感じることができます。

オリーブオイルの製造方法を学ぶことで、オリーブオイルができるまでのストーリーをイメージすることができると思います。ぜひスーパーやネットでオリーブオイルを購入する際には、製造方法を確認し、購入してみてください。

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